夏の終わりに伝えたい~学校に行きたくない人へ~|精神科特化訪問看護ミント
2026/08/28
夏の終わりに伝えたい
~学校に行きたくない人へ~
夏の終わりは、こころも身体も疲れている
― 学校に行きたくないあなたへ ―
8月も終わりに近づいてきました。
まだまだ暑い日は続いていますが、少しずつ夏の終わりを感じる頃です。
この時期になると、
「もうすぐ学校が始まる」
そのことを考えるだけで、こころが重たくなる人がいます。
夏休みの間は少しホッとしていたのに、カレンダーを見て残りの日数を数えてしまう。
夜になると学校のことを考えて眠れない。
朝起きるのがつらくなる。
お腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする。
「行かないといけない」と思う自分と、
「どうしても行きたくない」と思う自分がいて、
その間で苦しくなってしまう。
そんな人に、今日は伝えたいことがあります。
学校に行けない日があっても大丈夫です。
そして、
学校に行けないことと、あなたの人生がうまくいかないことは、同じではありません。
「行かなきゃ」と思うほど苦しくなることもある
周りの大人は心配します。
「このまま休んで大丈夫かな」
「勉強が遅れてしまわないかな」
「将来困ることにならないかな」
心配だからこそ、
「明日は行ってみよう」
「とりあえず朝だけ起きてみよう」
「教室に入らなくても保健室まで行ってみたら?」
そんな言葉をかけることがあります。
もちろん、それで一歩踏み出せる人もいます。
でも、その言葉がとても苦しくなる人もいます。
本人だって、本当はわかっていることが多いからです。
行った方がいい。
勉強した方がいい。
みんなと同じようにできた方がいい。
わかっている。
でも、できない。
だから苦しいのです。
そんなときに必要なのは、
「どうすれば学校へ戻れるか」
を急いで考えることではなく、
「今、何に苦しんでいるんだろう」
と考えることなのかもしれません。
行けないのには、何か理由がある
「学校に行きたくない」と言っても、理由は一人ひとり違います。
友達との関係かもしれません。
勉強についていくことが苦しいのかもしれません。
人がたくさんいる場所がしんどいのかもしれません。
先生との関係かもしれない。
朝起きること自体が難しくなっているのかもしれない。
自分でも理由がわからず、
「なんとなく無理」
としか言えないことだってあります。
それでもいいのです。
苦しさを、すぐにきれいな言葉にできるとは限りません。
大人でも自分の気持ちをうまく説明できないことがあります。
まして、こころも身体も大きく変化している途中にいる子どもたちなら、なおさらです。
だから、
「理由をちゃんと説明して」
と迫るより、
「今は行くことがしんどいんだね」
そこから始めてもいいのではないでしょうか。
学校に行くことだけが「前に進む」ではない
私たちはどうしても、
学校へ行く=前進
学校を休む=後退
と考えてしまいがちです。
でも、本当にそうでしょうか。
疲れ切っている人にとっては、休むことが必要な前進かもしれません。
朝起きられなかった人が、お昼に起きてご飯を食べられた。
ずっと部屋にいた人が、夕方少し外に出られた。
家族と話したくなかった人が、「今日はしんどい」と一言だけ言えた。
好きだったゲームを久しぶりにやってみた。
絵を描いた。
音楽を聴いた。
誰かとLINEをした。
そんなことも、その人にとっては大切な変化です。
大人が期待する方向とは違っていても、
その人なりに、生きるための力を取り戻している途中なのかもしれません。
道は、ひとつではありません
学校へ戻れるようになる人もいます。
別の学校を選ぶ人もいます。
教室ではない場所で学ぶ人もいます。
自分のペースで勉強する人もいるでしょう。
少し時間を置いてから、新しい場所を探す人もいます。
今は何も決められない、という人だっています。
人生は、学校の一本道だけでできているわけではありません。
もちろん、学校に行けるならそれも一つの選択肢です。
でも、
「学校に戻ることだけが正解」ではありません。
大切なのは、
「みんなと同じ道を歩けるか」ではなく、
「自分が歩いていける道を見つけられるか」
なのだと思います。
遠回りに見える道が、その人にとって一番歩きやすい道だった、ということもあります。
■■■ご家族にも伝えたいことがあります■■■
子どもが学校へ行けなくなると、ご家族も不安になります。
「このままでいいの?」
「私の育て方が悪かったのかな」
「何とかして学校に行かせなければ」
そんな気持ちになるのも無理のないことだと思います。
だからこそ、一人で抱え込まないでほしいと思います。
子どもを支えるためには、支えているご家族にも、安心して話せる相手が必要です。
そして、すぐに答えを出さなくてもいいこともあります。
「学校へ行かせる方法」を探す前に、
今、何がしんどいのか。
言葉にできることばかりではありません。
楽しく感じられることは何?
どんなときに笑顔がこぼれているかな。
そんな小さなことを一緒に見ていく。
そこから次の道が見えてくることがあります。
■■■訪問看護だからできること■■■
精神科訪問看護も、学校へ行かせるために訪問するわけではありません。
私たちが訪問できるのは精神科の指示書を書いていただける方が対象です。
私たちが大切にしているのは、
その人が今いる場所から、一緒に考えることです。
ご自身の特性やこころの状態と向き合いながら少しずつ進めていきます。
はじめは、話したくなければ、無理にたくさん話さなくてもいい。
今日は顔を見るだけ。一緒に過ごすことに慣れてもらうところから
始まることもあります。
次は好きなことについて少し話してみる。
そんなところから関係が始ります。
そして少しずつ、
「本当はどうしたい?」
「何ならできそう?」
「どんな生活だったら、今より少し楽かな?」
と一緒に考えていきます。
学校へ行くことが、その先にある人もいるでしょう。
学校とは違う道を選ぶ人もいるでしょう。
どちらでもいいのです。
私たちが応援したいのは、
「学校へ行けるようになること」だけではなく、その人自身の人生です。
そしてもう一つ大切なのはご家族のケア。
9月1日を、大きな壁のように考えなくても大丈夫です。
行けるなら行けばいい。
行けないなら、いったん休んでもいい。
今すぐ将来のことまで決めなくてもいい。
あなたの人生には、まだ知らない道がたくさんあります。
一緒に考えませんか?
では、またです!

