精神疾患とは何?そもそも論|精神科特化訪問看護ミント
2026/03/30
精神疾患て何?そもそも論
第3回
精神疾患とは何なのか
最後に、とても難しい問いについて考えたいと思います。
講演会の中でも最後の最後にこの根源的な問いを投げかけられたように私は感じまして・・・・。あの短い時間では先生方のお話をうまく理解、消化することはとてもできず、自分なりに切り取って振り返っています。
3回目は
精神疾患は本当に存在するのか
という問いです。
これは決して
「苦しんでいる人がいない」という意味ではありません。
精神的な苦しみは、確実に存在します。
不安
幻覚
妄想
絶望
感情の激しい揺れ
これらはあらゆる方にとって、とても現実的でつらい体験です。
しかし一方で、精神疾患の診断は
血液検査のような明確な指標で決まるものではありません。
多くの場合
行動や体験のパターンを分類したもの
です。
つまり精神疾患とは
・生物学
・心理
・社会
・文化
これらが複雑に絡み合った理解の枠組みとも言えるのです。
なので、社会的背景、どのコミュニティに接しているのかなどによってもその判断は変わってくる。診断名が流動的なのも精神科の特徴。医師の見立てが変わると診断名が変わることはそう珍しくありません。
ここに根本的な曖昧さと不透明さが生まれやすい土壌があります。
診断は助けにも、枠にもなりえる。といえるのではないでしょうか。
診断があることで
・支援につながる
・苦しみの説明がつく
・孤立が和らぐ
という側面があります。
しかし同時に、
診断は時として
人を固定するラベルにもなります。
「統合失調症の人」
「うつ病の人」
そう呼ばれるとき、
その人の人生全体が診断名に覆われてしまうことがあります。
結局、本当に見なければならないのは、
診断ではなくその人の人生そのものなのだと思います。
「〇〇の状態にある人」という見方が適していて
あなたは「〇〇病です」と診断するのはあくまでも社会的制度利用のため…?
制度利用は~の状態ではできませんので、そこが変わらない限り、私たちは必要な支援や制度を使うために「診断名」といういわば思考の施設化をしなければいけないということになります。
精神科訪問看護とは何なのか?
私はいわずもがな精神科訪問看護師として働いています。
症状を観察し
服薬を管理し
再発を予防する
それは確かに大切な仕事です。
けれど今回の講演を通して、改めて考えています。
精神科訪問看護とは何を支える仕事なのだろうか。
症状なのか。
安全なのか。
それとも
その人が社会の中で生き続けることなのか。
脱施設化とは
建物の問題ではなく私たちのまなざしの問題なのかもしれません。
私たちが誰かを
「危ない人」
「判断できない人」
「支援される側の人」
として見てしまうとき、
そこにはすでに思考の中に小さな施設が生まれているのかもしれません。
そのことを忘れないように、
これからも考え続けていきたいと思います。
では、またです!

