「わが子を信じたいのに、怒ってしまう」
2025/09/29
「わが子を信じたいのに、怒ってしまう」
~親自身”心のゆとり”を取り戻すヒント~
「本当は、怒りたくないのに…」
「何度も言ってるのに、また同じことを繰り返されると、つい感情的になってしまう」
「怒ったあとに、自己嫌悪でいっぱいになる」
発達障害のあるお子さんと向き合う親御さんから、こうした声をたくさん耳にします。
どんなにわが子を大切に思っていても、日々の積み重ねのなかで“怒る”“叱る”“我慢する”を繰り返していると、心の余白がどんどん削れていくのも無理はありません。
この記事では、「怒りたくないのに怒ってしまう」その背景を丁寧にひもときながら、親自身が“自分を責めずに子どもと向き合う”ためのヒントをお届けします。
なぜ、こんなにイライラするの?
発達障害のある子どもは、特性として
〇感情のコントロールが難しい(癇癪・急なパニック)
〇忘れ物や失敗が多い
〇同じミスを何度も繰り返す
〇こだわりが強く、親の声が届かない
ということがよくあります。
親御さんは、それを理解して関わろうとするものの、
毎日毎日、それが続くと“心の電池”が切れてしまうのです。
本来は怒りたくない。信じたい。寄り添いたい。
その思いが強ければ強いほど、「また怒ってしまった…」と自分を責めてしまうことも。
怒り”の裏側にある本当の感情
実は、「怒り」は“第二感情”と呼ばれています。
つまり、怒りの奥には必ず「一次感情」として不安・悲しさ・疲れ・焦り・孤独などがあるということ。
たとえば…
「また学校から連絡が来た」→(一次感情)もうどうしたらいいか分からない
「兄弟とばかり比べてしまう」→(一次感情)自分の育て方が悪いのではと不安
「癇癪で物を投げられた」→(一次感情)怖い・傷ついた
怒りを“感じてしまった”自分を責めるのではなく、
「本当は何に傷ついたのか?」を見つけていくことが、親自身の回復にもつながっていきます。
よくある「親自身を追い詰めている思考」
発達障害のある子どもを育てる中で、親御さんは知らず知らずのうちに、次のような思い込みを抱えてしまうことがあります。例えば
□□□ちゃんと育てれば普通にできるはず。
→特性によって“できること”の順番や方法が違うだけですよ~☆
□□□私がもっとしっかりしていれば・・・・・。
→“ひとりではなくチームで”一人でも多く関わるメンバーを増やしていきましょう。子育てには、親御さんだけで抱えられない問題や課題が沢山あります。
□□□怒らずに穏やかでいるべき・・・。
→親も人間です。“怒らないこと”より、“修復できること”を大切にしていきましょう。
“完璧な親”でいようとすると、かえって苦しくなります。
大切なのは、「揺れながらでも関わり続けている自分」に気づいてあげることです。
子どもとの関係性を“壊さずに済む”関わり方3選
① 怒る前に、“距離をとる”選択肢を持つ
怒りが込み上げたとき、「感情をぶつける」か「我慢する」かの二択になりがちですが、
実はそのどちらでもない「離れる」という方法もあります。
➡「ママ、今ちょっと冷静になりたいから、5分だけ別の部屋に行くね」
これだけで、爆発を防げることがあります。
“怒らない親”を目指すより、“安全に怒りを扱える親”であることが、親子関係を守るカギになります。
② 「叱ること」と「伝えること」を分けて考える
「なんでこんなことしたの!」と叱ったあと、
「私、ちゃんと伝えたかっただけなのに」と後悔したことはありませんか?
➡「私は、こうしてほしかったんだよ」と伝えることに集中するだけで、関係がこじれにくくなります。
感情をぶつけてしまったとしても、あとで気持ちを説明する。
それだけでも、子どもにはちゃんと届きます。
③「怒ってしまったあと」の“回復の儀式”をつくる
どんなに気をつけていても、感情的になってしまう日があります。でも、そのあとの行動で、関係は修復できます。
例えば「怒ってごめんね。さっきはママも疲れてたの」と、親も言葉で感情を整理して伝える、そして再びつながる💛
この“回復の儀式”があるだけで、子どもは「大丈夫。また仲直りできる」と安心できます。
「親も支援が必要」という視点を忘れないで
そして、ここが一番重要かもしれません。親御さんは頑張って子育てをしているうちに、自分自身のケアを忘れがち。子どものために頑張ることは、とても素敵なことです。でも、“親が壊れてしまったら、、、、。
親御さん自身も、“支援が必要な存在”なのです。
誰かに話すこと。
「今日もなんとかやった自分」を褒めることだったり、
一人の時間を確保することだったり
「完璧じゃなくても、頑張ってる」と言ってもらえる事だったり、
親御さん自身もケアを受けることで自分らしさを保つこと、これが子育てにおいて最も大切な「土台」になると思うのです。支援を使うことで自分の時間を確保したり、自分では気が付かなかったできていることをほめてもらったり、ちょっとした労いの言葉をかけてもらえる、そういうことが大切だと思います。
おわりに:あなたは“怒ってしまうような親”ではなく、“それでも向き合い続けている親”
「怒らなければよかった」
「もっと優しくできたのに」
そんな後悔の積み重ねは、あなたがどれだけ子どもを大切に思っているかの裏返しです。
でもどうか、自分を責めすぎないでください。
あなたは“怒ってしまうような親”なのではなく、
“怒ってしまうほど、向き合い続けている親”です。
私たち訪問看護でも、子どもさん本人への支援だけでなく、
親御さんの心のゆとりを取り戻すお手伝いを大切にしています。
では、またです!


