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やる気がないわけじゃない
~ADHDの”先延ばし”に隠れた理由~

“やる気がない”わけじゃない 〜ADHDの“先延ばし”に隠れた理由〜

2025/09/25

やる気がないわけじゃない

~先延ばしに隠れた理由~

「宿題やったの?」「また明日やるって言ってる…」
「なんで机に向かってるのに、やらないの?」
「結局いつもギリギリ。もう疲れた…」

ADHD(注意欠如・多動症)のお子さんを育てている親御さんから、こんな声をよく耳にします。
“やる気がないように見える”行動に、怒りや不安、焦りを感じてしまう。
でも、本当にこの子は「やる気がない」のでしょうか?

この記事では、ADHDの特性と“先延ばし”の背景に焦点を当てながら、親御さんができる声かけや関わりのヒントをお届けします。

sad「また後でやる」は、本当に“怠け”?

ADHD傾向のある子どもは、よく「あとでやる」「今は無理」と言います。
これを“怠けている”“言い訳している”と受け取ってしまうと、どうしても叱りたくなってしまいますよね。

でも、実は本人の中でも「やらなきゃいけない」と分かっていることが多いのです。
ただ、「始める」「やり続ける」「終わらせる」という一連の流れを脳内で整理し、実行するのがとても苦手なのです。

frownADHDの“先延ばし”には理由がある

ADHDには、次のような脳の働きの特徴があります。

✅ ワーキングメモリの弱さ

→ 「今やるべきことを覚えておく」「順序を整理する」ことが難しい。

✅ 実行機能の弱さ

→ やるべきと分かっていても、どうやって取りかかるかの手順を組み立てるのが苦手。

✅ 注意のコントロールの難しさ

→ 興味があることには集中しすぎるが、興味がないと手がつかない。

✅ 達成感の“見通し”が立ちにくい

→ やり終えた後のメリットや気持ち良さを想像できないため、「今やらなきゃ」が弱い。

こういった脳の特性が、
「やる気がないように見える」
「何度も注意されるのに直らない」
という行動に見えてしまうのです。

先延ばしを“責める”ことの副作用

「またやってないの?」「だから言ったでしょ」
毎日こんな声かけをしてしまう親御さんは少なくありません。
でも、これが続くと、子どもには次のような影響が出やすくなります。

「どうせまた怒られる」と思い、親の声を聞かなくなる

「自分はできない子なんだ」と自己否定が強まる

やる気の“火種”すら消えていく・・・・・これでは悪循環になってしまいますね。

ADHDの子は、他の子よりも「叱られる体験」が多いという傾向があります。
そして、自分でも「またできなかった…」と落ち込んでいるのです。

 

親の言葉が“失敗体験を思い出すトリガー”になってしまうと、
行動を変えるどころか、心を閉ざしてしまうこともあるのです。

これは、ご本人にとっても親御さんにとっても辛い循環になってしまいますよね。

 

enlightened行動を変えるための3つのヒント

① 「行動を小さく分けてみる」

たとえば「宿題をやる」という課題を、“1つの行動”として提示すると、取りかかれません。

→【ランドセルを開ける → ノートを出す → 1ページ目を開く】
こんな風に“最初の1歩”を具体的に言語化して伝えると、取りかかりやすくなります。

おすすめ声かけ:
「今から“ノートを開く”だけ一緒にやろうか」
「とりあえず宿題出して、やる順番を一緒に決めよう」

 

② 「時間を“見える化”する」

時間の流れをイメージするのが苦手な子は、「あとでやる」が“永遠のあと”になりがちです。

→ タイマー・時計・時間割表などを活用し、「この時間に」「これだけ」と視覚的に伝える工夫を。

おすすめアイテム:
・キッチンタイマー
・色付きのスケジュールボード
・「15分だけ作戦」

 

「じゃあ15分待つから、15分経ったら〇〇だけやってみよう」と

声掛けをかえてみましょう。

 

③ 「できたこと」に注目する

完了ではなく、“始められた”こと、“やろうとした”ことを見逃さない。

→「1問でもやれたね」「ノート開いたのすごいよ」と、行動の“起点”に注目した声かけが、自信と継続につながります。

結果よりプロセス重視!

親自身が“先延ばし”を理解していると、余裕が生まれますね。

 

「またやってない」ではなく、
「やるまでに時間がかかる子なんだ」
と理解できると、親御さんの心にも少し余裕が生まれます。

 

もちろん、すべてを受け入れて穏やかでいられるわけではありません。
でも、“怒らずに済む方法”を知っておくことは、親自身のストレス軽減にもつながります。

 

 

〇〇〇実例:声かけを変えたら、子どもが動き出した

あるお母さんは、毎晩「宿題やりなさい!」と怒鳴ってしまう日々に疲れきっていました。
でもある日、「まずは1問だけ一緒にやろう」と声をかけてみたそうです。

すると、子どもは「1問だけなら…」と机に向かい、その後も数問取り組めたとのこと。

「“全部やらせる”から“始めるだけ”に変えたら、気持ちが軽くなりました」
そう話すお母さんの表情も、以前より穏やかになっていました。

 

 

おわりに:「できない」のではなく、「うまく始められない」

ADHDの子の“先延ばし”には、必ず理由があります。
それは「なまけ」でも「反抗」でもなく、脳の特性により、始める力や続ける力が育ちにくいということ。

この特性に合わせた声かけや環境調整を行えば、
少しずつ「やれる感覚」が芽生え、子ども自身が自分を肯定できるようになっていきます。

そしてそれは、親御さん自身が“責めない支援”を選びなおせた瞬間でもあるのです。

 

訪問看護や相談機関も、親子の“やる気を育てる関わり”を一緒に考えるパートナーとして、いつでも頼ってくださいね。

 

では、またです!

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