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【明石市】精神科特化訪問看護ミント|訪問看護にできること

「よかれとおもって」が
誰かを傷つけることもある

「よかれとおもって」にひそむアンコンシャスバイアス

2025/08/01

「よかれとおもって」の罠に気付けるようになろう

それぞれの普通、それぞれの「つもり」

〜アンコンシャスバイアスと発達障害〜

「そんなつもりじゃなかったのに」「悪気はなかったんです」
支援の現場や日常の中で、こんな言葉を耳にしたことはありませんか?

無意識のうちに誰かを傷つけてしまうこと。
それは誰にでも起こりうることですが、できるだけ少なくしたいですよね。


もしその“無意識”が、発達障害のある方の「生きづらさ」をより深めていたとしたら――!?

今回は、「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」という視点から、発達障害と向き合う支援や関係性について考えてみたいと思います。

 

◆アンコンシャスバイアスとは?

「男の子なんだから泣くな」
「この年でゲームばっかりなんて」

「学校行くのが当たり前」
「働けてるなら障害って言わなくていいんじゃない?」

これらの言葉に、悪意があるわけではないとしても
そこには“無意識の思い込み”――つまりアンコンシャスバイアスが潜んでいます。

 

アンコンシャスバイアスとは、自分でも気づかないうちに持っている無意識の思いこみのこと。
性別、年齢、国籍、外見、能力、家族構成、働き方など、あらゆる面に存在します。

自分自身にもアンコンがあり、物事にも存在します。

そしてこの“バイアス”は、知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり、可能性を閉ざしたりしてしまうのです。

例えば「普通こうでしょ?」と人を傷つけてしまったり、

時には不安をよんだり、何等かネガティブな感情をわき起こさせる怖さがあるということです。

 

たとえば、発達障害のある方に対して――

発達障害は数が多いか少ないかでいうとマイノリティです。

「なんで忘れるの?メモ取れば済むでしょ、前も言ったよね」

「人と関われるんだから自閉症なんかじゃないよ」

「空気読めないよね~いつも」

「普通この歳でこれくらいできて当たり前」

このような様々な言葉が、悪意なく投げかけられる場面は少なくありません。

 

例えばLD(学習障害)のある方の中には「書く」「読む」「計算する」などが、極端に苦手な場合があります。これが凸凹のひとつだったりして、対処するためには何かツールを使ったり、一工夫が必要だったりします。

 

ASDの方の中には、「相手の気持ちの機微を読み取る」「想定外の展開に対応する」などの苦手さの中に困難を抱えている場合がありますが、そこが微妙にできたりできなかったりするケースもあり、見逃されている場合もあります。

 

そして「普通はこうするよね」「誰でもこのくらいわかるよね」という基準で見られることで、その人の“生きづらさ”が見落とされてしまう場面が生まれてしまうこともあるのです。

 

◆支援者にもあるアンコンシャスバイアス

私たち訪問看護の現場でも、無意識のバイアスは常にあります。

「この人はいつも穏やかだから支援が入りやすい、こちらの伝えたことはわかっているはず。」
「このご家族は協力的だから、うまくいくだろう。」
「病名が◯◯だからこういう傾向があるはず。」

数えたらきりがないくらいアンコンが働いている場面が多々あると思います。このような思い込みは、

ある意味では支援を“スムーズに”することもありますが、
一方で、本当の困りごとや、その人らしさを見落とすリスクにもつながります。

 

「本人がそう感じているかどうか」に耳を傾けず、病名や外から見える特徴だけで支援を進めてしまうこと。

こういったところにアンコンシャスバイアスが隠れているのです。

 

◆「まさか自分が」から始まる気づき

アンコンシャスバイアスが厄介なのは、本人が自覚しにくいという点です。
「差別なんてしていない」
「私は理解している」
この“つもり”が、気づきを遠ざけてしまいます。

 

でも、もしあなたが支援者や家族であるなら、
「まさか自分がそんなことをしていたなんて…」という気づきが、
実は一番大切なスタートなのです。

 

◆実例:言葉の選び方を変えてみる

実際の訪問看護の現場で、こんな場面がありました。

30代の発達障害のある男性。
ある日スタッフが「今月は仕事どうでした?」と尋ねたところ、
彼は怒ったように「それ、嫌な聞き方です」と返してきました。

あとから話を聞くと、
「“今月は”という言葉に“評価されている”気がして不安になった」
「“どうですか?”の聞き方が、試されているように感じた」とのこと。

スタッフが意図していたのはあくまで“日常の会話”でしたが、
本人にとっては“否定されるような重圧”として届いていたのです。

それ以降、スタッフは「この前話してたお仕事、今どんな感じですか?」と、
本人の話題に寄り添った切り出し方を意識するようにしました。

そういったひとつひとつの丁寧な歩み寄りで関係性は改善され、現在は週に一度、穏やかに近況を話すことができています。

100人は同じでも101人目は違うかもしれません。

 

◆“決めつけない”という優しさ

アンコンシャスバイアスをゼロにすることは、難しいことで不可能です。
人間には誰しも、経験からくる思い込みや癖があります。

でも、大切なのは「私はバイアスを持っているかもしれない」という視点を持つこと。
そして、「自分の言動は、相手にどう届いているか?」をふり返ることです。

“決めつけない”という姿勢そのものが、支援の土台になります。
「この人はこういう人だ」と思い込むより、
「今この人は、何を感じているのか?」に心を寄せる方が、
遥かに深い関係性が築けるのです。

いつもはそうでも今日は違うかもしれません。

 

◆おわりに:「わからない」から始める優しさ

発達障害のある方との関わりにおいて、
“わからなさ”に出会うことは、珍しくありません。

でも、その“わからなさ”を無理に埋めようとせず、
「私はまだわかっていないかもしれない」と謙虚に受け止めることこそ、
アンコンシャスバイアスと向き合う第一歩だと思います。

相手の生きづらさに寄り添うために、
まずは自分自身「ものの見方」にも目を向けてみませんか?

そんなの何も言えなくなるよと思われるかもしれませんが、

だからこそ

もっと話そう、

だからこそ、

もっと聴こうが大切です。

誰かを理解するには、自分自身を知ることから。
訪問看護という現場の中で、私たちもまた、日々その学びを続けています。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

では、またです!

 

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