精神科看護師が聴きたいことの正体は?~時には自分を疑うことも大切~
2025/10/16
精神科訪問看護師が聴いているはずのこと
~その正体は?時には自分を疑ってみる~
精神科訪問看護師であるあなたが“聴きたいこと”の正体を一度疑ってみよう
精神科訪問看護の現場で、私たちは毎日“聴く”ことを仕事としています。
しかし、ふと立ち止まって考えてみませんか。
「自分が聴きたいと思っていること」は、
本当に利用者さんが語りたいことになっていますか?
◆もしかしたら・・・・一つくらいは当てはまるかも?
〇情報収集/アセスメント材料発掘タイプ:
症状・リスク・生活状況の把握が会話のメインに来るタイプ。問題解決思考の傾向が強く、対話ではなく聴取することが仕事だと信じているけど、自覚がないことが多い。
〇“原因・犯人探し”の問い強め系:
なぜ?だれが?という問いになる。原因を見つける事、知ることで何かが解決するという強い信念がある人に多く、犯人が判明することが会話の目的となっている場合が多いので、原因と判定した人や事柄を責めて終わるので根本的には利用者さんの生活の立て直しや成長変化に至らないケースが多い。
〇看護師の自分軸先行暴走型:
とにかく軸が自分。聞いてはいるけど自分の「普通」自分の「当たり前」に照らし合わせてしまうので、結局は相手へのジャッジで終わってしまうことが多くなってしまう。
〇興味本位のグイグイ型:
過去の話・家族関係・ドラマ性に惹かれて話を聞き出し、ストーリーの完結に満足してしまう。利用者さんに興味があるだけまだよいとも言えますが、これでは生活の組み立てと言うより噂話、立ち話の域を出ないことが多い。
聞く側がこれらの体制では利用者さんの“語りたい本音”は抑圧され、置き去りになっていきます。
相手はあなたの枠の中で語ろうとするか、言葉を飲み込んでしまうかもしれない。
あるいはよい利用者を演じて話をするなんてことも起こり得ります。
そして、看護師自身もいつもそのようになってしまうわけではなく
自分自身のコンディションであったり、利用者さんとの相性のなかで
本来の「聴く」に至れないことがあるかもしれません。
だからこそ聞いてみませんか?
今日、あなたが(利用者さん)一番話したいことは何なのか?
私は訪問開始時にこの意味合いの「問い言葉」からスタートすることを習慣づけています。
何も特別な言葉ではありませんが
「この一週間どうでした?」
が一番話したいことを聴きますよの合図になっているかもしれませんし、
訪問の文脈によっては
「この間のお話しの続きから聞いた方がよさそうですか?」と言う投げかけなのかもしれません。
オープンダイアローグを学んだことがある人ならピンとくるはず。
「今日(あなたは)のこの時間をどう使いたいですか?」
「今日は、何を話したいですか?」
これを最初に本人に確認してからスタートするというのがあります。
日々様々なことが起こりますし、毎回の訪問でこうはいかないかもしれません。でも、
看護師がどのような「問い言葉」を使うかは
利用者さんが「主語」を取り戻す入口になります。
語りたいことを受け止める姿勢が、信頼関係を深め、発見を生み、支援の方向性を変える力を持ちます。
ただし、語られない沈黙・間合いもまた語りの一部。
焦らず、待つ、反応する、受け止める。
このプロセスこそが、私たちが本気で“聴く”ということ。
両輪どちらもが必要になってきますよね。
——
相手が本当に“語りたいこと”に本気で心の耳を澄ませてみる。
とてもシンプルなことですが、そうあり続けるのは意外と難しい。
だからこそ、その姿勢が、支援の力になると私は信じています。
そして定期的に自分を振り返ることがホントに大事。
関係が長くなりがちな精神科訪問看護
距離感を「いい塩梅」に整えておくことって難しいなと思います。
そんな時に客観的な視点に立ち戻らせてくれる、
自分自身が相談できる人をつくっておくことも大切ですね。
では、またです!


