9年前の失敗|訪問看護ミント精神科特化【明石市】
2022/10/11
9年前の失敗
みなさんこんにちは
精神科に特化した
訪問看護ステーション
ミントです。
忘れるくらい何年も前の
失敗・・・
何故今この失敗に
向き合うことになったのか
考えさせられます
8年前に30年間入院していた
方がある施設に退院され
訪問看護の依頼を受けました
Aさん
30年も入院していて本当に
施設の生活に馴染めるのか
精神症状ももちろん
もったままの退院なので
症状がどうなるのか
どのくらい周囲の方に
受け入れてもらえるのか
その当初経験も浅く
とても緊張しながら
訪問を始めました。
そのAさん
山あり谷ありでしたが
今も同じ施設で生活
されています!
地域に出てこそ回復できる
んだということを
教えていただきました。
最近がんを発症されて
治療を全面拒否
さすがに施設も困って
担当者会議が開かれました。
その時に今の担当の
ケアマネさんに
Aさんの生活歴を聞かれ
ました。
その時にほとんど
それが明確になる資料も
聞き取ったものも
残っていなかったことに
9年経った今気が付きました。
退院して9年
その前の精神科入院歴30年
その前は・・・・・・?
かなり妄想が固定している
Aさんからの聞き取りの
記録はありますが
どこが事実でどこからが妄想
なのかがわからない・・・・。
余命宣告されたも同然の
この状況になって
はたと事実は・・・・?
となりました。
今更「事実」が必要なのか?
病院で聞き取りされている約40年
前の記録がAさんの事実なのか?
それもわかりませんが
Aさんの語ってくれる「ストーリー」
=Aさんの人生でよいの・・・・?
結局、調べられるところまで
調べてみようと思い、Aさんが
退院してきた病院に連絡を
しています。
そして、
当時を振り返りました。
自分自身病院を退職して
地域に出て1年余りでした。
殆ど情報提供なく
とにかく訪問開始になる
ケースが予想以上に
多くてマヒしていました。
事実なんてわからない
今が大切
そう考えていたのも事実。
また、
30年の長期入院の方の支援が
初めてだったことで
今からの生活がどうなるのか?
Aさん本当に施設の生活に
馴染めるの?
と支援する側としても
不安になり
今からどうするか
ということばかりに
着目していたんだなと
当時を振り返り
恥ずかしくなりました。
要はその人の全体像に
至らず、視野が狭く
なっていました。
その後何度もそこに
立ち返る機会があった
はずですが
そんなことにも気がつかない
でここまできているー。
この10月で2013年に
開設して9年を迎えました。
来年は10年の節目を
迎えます。
至らないところが沢山
ありながら
なんとかここまで
やってきたんだ
という思いと同時に
もう一度
足元を見直して
基本に立ち返ることが
大切だと改めて
思いました。
Aさんが何故治療を全て
拒否しているのか?
そんな大切なことを
話合おうと思うと
もっとAさんの
人生を知って一緒に
考えていくべきだなと
思います。
精神科病院に入院して
身寄りをなくし
30年の入院生活。
そして施設への退院。
残された時間はあまり
ありませんが
今できることを
精一杯
やっていこうと
思います。
では、またです!