明石市　精神科特化訪問　訪問看護　ミント

みなさんこんにちは

精神科特化訪問看護ミントです

 

先日、最近では珍しくなった

専業主婦の方のお話をきかせて

いただきました

 

長年うつを患い

かなり症状は安定してきたとのことで

今は毎日睡眠薬を内服しているとのこと

 

その方はもう長年　専業主婦として

家族を支えてこられました

 

話す言葉の中に

「私は働いていないので。」という

フレーズが何度も繰り返されました

 

ご家族の介護もなさって

子育・家事・家の中のことは全て

その方が担っていたし今もその状況が

つづいているそうです

 

友人をみていると趣味があって

活動的にしている人も多い

かたや自分はというと

手に職も何もなくてただひたすら

家事をやってきただけ

 

家族にずっと尽くしてきて

今でも病気の家族を介護して（夫）

自分の体もだいぶ衰えてきたから

正直自分のことを自分でするだけで

精いっぱいなのに

家族（娘と息子）はそんな

自分には気が付いてくれなくて

何もしてくれない

 

こんな年になっても

病気で寝込むことも

許されないような状況だと

 

こうやって家族の世話をして

自分の楽しみは何もできないまま人生が

終わっていくのかと思うととても辛い

 

辛すぎるから考えないようにしている

 

そのように話してくれました

 

そのご家庭には精神障害の娘さんが

おられて　

一時期は入退院を繰り返し

とても大変な状況で

自傷行為も激しくて命を落としかけた

こともあったそうです

 

そんな山場を乗り切って

娘さんを支え

ご自身もうつを患いながら

家族を支えて立派にやって

こられたわけで、

本当に大変だったと思いますし

尊敬します

 

娘さんは今では仕事にも行ける

ようになり

見違えるように回復されているそうです

 

そんな風に家族を支えてきたのに

自分の人生が空っぽのようで

とても辛い・・・・そう感じていて

 

専業主婦である自分はお金を

稼ぐことができない

だからお金を稼いでくる夫の言うことは

絶対だったし

家事をいくら頑張っても

誰もほめてくれなくて

何をやっても

当たり前のことと思われてしまう

 

こんなに頑張ってきたのに

誰にも評価されないなんて

私は働いたことがないので

働いている人からしたら

家事しかやっていないと思われ

ると思いますと・・・・

 

私は一瞬言葉が出なくて黙ってしまいました

 

一見専業主婦で家でのんびりと暮らし

娘さんのことも乗り越えて

今は悠々と暮らしているように

見えていたからです

 

言われてみれば専業主婦には

定時も定年もなく

評価制度もない

やったことの対価が

形になりにくい大変な

生業ですよね

 

きっと

一言「ありがとう。」とか

「ごはんおいしかったよ。」とか

「お母さんのおかげで・・・。」とか

たまには

「今日はゆっくりしていいよ。」とか

 

そんなことで気持ちが楽になるのだと

思うのですが

 

家族の中で

専業主婦であるお母さんが

家族の世話をしていることが

あまりにも当たり前になって

しまったようです

 

私が自分が感じたことを

素直に伝えると

堰をを切ったように涙を流されて

夫に一度でいいから

「ありがとう。」と言ってほしかったけど

昔からどれだけ家事を頑張っても

今どれだけ介護をしても一度も

お礼のひとこともいわれたことが

ないと

また

涙が止まらなくなってしまいました

 

立派に家事をされて

娘さんの大変な時期を支えて

仕事一筋のご主人を支えて

 

それでもご自身の人生が

空っぽだと感じるなんて・・・・

 

私はその方がそんな思いで日々

生活されているとは思いもよらず

 

年齢を考えると

その方も、ご主人も人生の時間は

そんなに長くないと思います

お互いの人生を振り返って

素直な気持ちで話ができたらいいな

と思うのです

 

同時に

 

聞いてみないとわからないこと

だらけで

自分が思っていることなんて

本当にただの思い込みがほとんど

 

人の表面的な状態だけをみて

色んなことを勝手に想像している

自分に気が付きました

 

これからも出会うたくさんの人に

先入観をできるだけもたないで

まず「聴くこと」

思い込みをできるだけ外して

その人を「みていく」

 

そんな看護を目指してまだまだ

こころを磨いていかねばと

思いました。

 

では、またです！